はじめに
TFASを覚え始めたばかりの頃は、
「操作方法が分からない」
「どこをクリックすればいいのか分からない」
ということばかり気になります。
でも、実際に現場でTFASを使うようになると、もっと怖いのは操作ミスそのものではありません。
私自身、TFASを使い始めた頃に、
- 古い図面をそのまま使ってしまった
- 印刷した図面が薄すぎた
- 必要な図面を探せない状態になった
- 上階と下階の情報が重なっていることに気付かなかった
など、何度も失敗しました。
そして、実際に現場で怒られたこともあります。
今では約5年間TFASを使っていますが、最初から上手に使えたわけではありません。
むしろ、失敗して「これは危ない」と覚えてきた部分のほうが多いと思っています。
この記事では、私が実際の現場で経験した失敗を中心に、
TFAS初心者が特に注意したほうがいい失敗7つ
を紹介します。
これからTFASを覚える人には、ぜひ同じ失敗をしてほしくありません。
この記事で分かること
この記事では、TFAS初心者が注意したい以下のポイントを解説します。
- 古い図面・間違った図面を使ってしまう
- 印刷してから図面の見え方に気付く
- レイヤーやシートを表示しすぎる
- 上下階の情報を確認しない
- 2D図面だけで判断してしまう
- 図面を見ただけで「分かったつもり」になる
- 操作方法ばかり覚えて現場を理解しない
単なるTFASの操作ミスではなく、施工管理や現場でTFASを使う人が注意したいポイントとして解説します。
① 古い・間違った図面をそのまま使ってしまう
これは私自身が実際に経験した失敗です。
TFASを使い始めた頃、手元にある図面を確認して、
「この図面を使えば大丈夫だろう」
と思って作業していました。
ところが、その図面自体が古かった。
その結果、実際の現場と図面の内容が一致しておらず、作業する人に間違った図面を渡してしまったことがあります。
当然、後から問題になりました。
そして私は怒られました。
当時は、
「図面があるんだから、それを使えばいい」
くらいに考えていた部分があります。
しかし、現場でTFASを使うようになってから、この考え方は非常に危険だと分かりました。
図面がある=正しいとは限らない
特に改修工事では注意が必要です。
既存図面があったとしても、
- 過去に変更されている
- 実際の施工と図面が違う
- 古い設備が残っている
- 配管ルートが変更されている
- 現場で追加・撤去されている
といったことがあります。
そのため、私は現在、
「図面を見る」→「現場を見る」→「図面と現場を照合する」
という考え方をかなり意識しています。
TFASの操作方法を覚えるだけでは、この部分には対応できません。
② A1図面を印刷したら薄すぎた
これも実際にやらかしました。
図面を印刷したところ、
「なんか薄いな……」
とは思ったものの、
「まあ見えるだろう」
と考えてそのまま使おうとしました。
しかし、実際に現場で見ると非常に見づらい。
結局、何度か印刷し直すことになり、紙も時間も無駄にしました。
そして、これも怒られました。
PC画面では見えていても、紙では見えない
TFASを使っていると、PC画面では線が見えているため、
「ちゃんと表示されている」
と思いがちです。
しかし、
画面で見えることと、印刷して現場で使えることは別です。
特にA1などの大きな図面では、
- 線幅
- 色
- 印刷設定
- レイヤー
- 出力範囲
- プリンター側の設定
などによって、見え方が大きく変わります。
そのため、重要な図面ほど、
「印刷した状態で本当に見えるか?」
まで確認するようになりました。
TFASの印刷について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
③ レイヤーやシートを表示しすぎて、必要な情報が分からなくなる
これも初心者の頃にありがちな失敗です。
TFASでは、さまざまな情報を表示できます。
ところが、
「とりあえず全部表示しておけばいい」
と考えると、逆に図面が見づらくなります。
例えば、
- 配管
- ダクト
- 機器
- 建築
- 寸法
- 通り芯
- 既存設備
- 新設設備
などが一度に表示されていると、
何を確認すればいいのか分からなくなることがあります。
「表示できる」と「表示するべき」は違う
TFASを覚えたばかりの頃は、
「いっぱい表示されている=情報量が多くて便利」
と思ってしまいます。
でも、実務では逆になることがあります。
例えば配管の施工状況を確認したいなら、
必要な情報だけを表示したほうが確認しやすい。
この感覚は、実際に図面を使って作業していく中で身についてきました。
④ 上階・下階の図面情報を重ねたまま確認してしまう
これは特に危険だった失敗です。
あるとき、2階部分の図面を確認していました。
ところが、その図面には上下階の情報が重なって表示されていました。
私はそのことに気付かず、
その図面を見て作業の指示をしてしまいました。
後になって、
「この情報、下の階のものじゃないか?」
と気付きました。
完全に自分の確認不足です。
2D図面は「何の情報なのか」を確認する
TFASでは、多くの情報を重ねて表示できます。
そのため、
「線が見えている」
だけでは不十分です。
その線が、
- 今いる階の情報なのか
- 上階なのか
- 下階なのか
- 既存なのか
- 新設なのか
- 参考表示なのか
を確認する必要があります。
特に改修工事では、既存と新設が混在するため注意が必要です。
⑤ 2D図面だけで分かったつもりになる
これは、TFASを使い始めてから徐々に感じるようになったことです。
2D図面を見て、
「ここに配管がある」
ということは分かっても、
「実際にはどの高さを通っているのか?」
「他の配管とぶつからないのか?」
「機器との位置関係はどうなっているのか?」
まで頭の中でイメージするのは、初心者には難しいことがあります。
私自身も最初はそうでした。
そこで役立ったのが3D
TFASを使えるようになってからは、複雑な場所では3Dで確認することがあります。
特に、
- 配管の高さ
- 配管同士の位置関係
- ダクトと配管の関係
- 機器との位置関係
- 複雑な納まり
などは、3Dにすると一気にイメージしやすくなります。
実際、私は以前、職人さんから自分の図面について、
「分かりやすい」
と言ってもらったことがあります。
この経験から、3Dは単に「きれいな図面を作るための機能」ではなく、
現場の人に施工内容を伝えるための道具
として使えると考えるようになりました。
3Dの具体的な使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
⑥ 「TFASを操作できる=図面を理解できる」と思ってしまう
これは私がTFASを覚えていく中で、かなり重要だと感じたことです。
TFASには、
- 線を引く
- 移動する
- コピーする
- 削除する
- 寸法を入れる
- 印刷する
- PDFにする
など、さまざまな操作があります。
これらを覚えること自体は大切です。
しかし、
操作できることと、図面を理解できることは別です。
例えば、
「配管を移動してください」
と言われたとき、
操作だけならできるかもしれません。
でも、
- なぜ移動するのか
- どこへ移動するのか
- 他の設備との関係はどうなるのか
- 高さは問題ないのか
- 現場で施工できるのか
まで考えるには、現場側の知識が必要になります。
⑦ TFASの操作ばかり練習して、現場を見ない
私が一番伝えたいのはこれです。
TFASを覚えるなら、
TFASだけを見ないほうがいい
と思っています。
私自身、最初は図面の意味がよく分かりませんでした。
図面にいろいろな記号が並んでいて、
「これは何?」
「この線は何?」
という状態。
分からないものがあればインターネットで調べる。
それを繰り返していました。
ところが、施工管理の仕事を続け、現場を見るようになると、少しずつ図面が読めるようになってきました。
最初は1枚の図面を見るだけでかなり時間がかかっていたのが、
だんだん、
「ここはこういう設備だな」
「この配管はここにつながっているな」
と、図面を見ただけで想像できるようになりました。
ここがTFAS初心者にとって大きな壁だと思います。
私が5年間TFASを使って感じる「本当に必要な力」
ここまでの話をまとめると、TFASを実務で使うために必要なのは、
TFASの操作だけではありません。
私は大きく4つあると思っています。
① TFASを操作する力
まずは当然ですが、
- 作図
- 修正
- コピー
- 移動
- レイヤー
- シート
- 印刷
などの基本操作。
② 図面を読む力
次に、
「この線は何なのか?」
「この記号は何なのか?」
を理解する力。
③ 現場を理解する力
さらに、
「実際にここに施工できるのか?」
を考える力。
④ 現場の人に伝える力
そして、施工管理としてはこれも非常に重要だと思っています。
自分だけが理解できても意味がありません。
実際に施工する人に、
「ここをこう施工してください」
と伝わらなければなりません。
そのときに、2D図面だけでは分かりにくければ3Dを使う。
私はこの使い方がかなり実務的だと感じています。
TFAS初心者は「操作→実務」の順番で覚える
では、これからTFASを覚える人は何から始めればいいのでしょうか。
私なら、
STEP1
基本操作を覚える
↓
STEP2
図面の見方を覚える
↓
STEP3
実際の設備・施工を理解する
↓
STEP4
既存図面を修正してみる
↓
STEP5
施工図を作ってみる
↓
STEP6
2Dと3Dを使い分ける
という順番をおすすめします。
いきなり難しい施工図をゼロから作ろうとする必要はありません。
私自身も、最初から何でもできたわけではありません。
むしろ、既存図面を見て、修正して、現場と照合するところから覚えていった感覚があります。
私が失敗して分かったこと
TFASを約5年間使ってきましたが、今でも「何でもできる」とは思っていません。
特に、
何もない状態から図面を完全に作り上げること
については、まだ難しいと感じる場面があります。
それでも、最初の頃と比べればかなり変わりました。
昔は図面を見ても、
「何が書いてあるのか分からない」
という状態でした。
今では、
「この図面は何を表しているのか」
「どこを確認すればいいのか」
をある程度すぐに判断できるようになりました。
そして、以前は自分が教えてもらう側だったのに、今ではTFASを使ったことがない人や、正式に教えてもらった人から、
「これってどうやってやるんですか?」
と聞かれることもあります。
ここまで来ると、TFASは単なるCADソフトではなく、自分の仕事を支えてくれるスキルになってきたと感じます。
まとめ|TFASは「失敗しないこと」より「失敗から学ぶこと」が大切
今回は、私自身がTFASを使ってきた中で経験した失敗を紹介しました。
特に覚えておいてほしいのは、
TFAS初心者が注意したい7つの失敗
- 古い・間違った図面をそのまま使う
- 印刷してから見え方の問題に気付く
- レイヤーやシートを表示しすぎる
- 上下階の情報を確認しない
- 2D図面だけで判断する
- TFASを操作できる=図面を理解できると思う
- TFASだけ練習して現場を見ない
ということです。
私自身、これらの中には実際にやってしまったものがあります。
だからこそ言えるのですが、
TFASは「操作方法を覚えれば終わり」ではありません。
図面を読み、
現場を見て、
実際の施工を理解して、
必要なら3Dを使って人に伝える。
ここまでできるようになると、TFASの使い方はかなり変わってきます。
もっとTFASを実務で使えるようになりたい方へ
このブログでは、TFASの基本操作だけではなく、
「現場で実際に使えるTFAS」
をテーマに記事を書いています。
もし、
「基本操作は分かってきたけど、実務でどう使えばいいのか分からない」
という方は、私が実際に現場で使ってきた内容をまとめた教材も作っています。
「TFASを操作できる」から「TFASを仕事で使える」へ
というところを目指したい方はこちらも参考にしてください。
また、
- エラーやトラブルで困っている
- TFASの設定が分からない
- 作業をもっと早くしたい
- 印刷・PDFで困っている
という方には、テーマ別の教材も用意しています。








