「TFASを使えるようになりたい」
そう思って、操作方法を勉強している人は多いと思います。
私も最初はそうでした。
今から約5年前、私は派遣の施工管理として大規模な改修現場に入り、そこでTFASを使うことになりました。
ところが、最初からTFASが使えたわけではありません。
むしろ、
図面の見方すらよく分からない状態でした。
縮尺や倍率、印刷の仕方もよく分からない。
誰かに丁寧に教えてもらえる環境でもありませんでした。
コロナ禍だったこともあり、派遣会社からの集合研修などもありません。
そこで、現場で実際にTFASを触りながら、自分で覚えていきました。
そして約5年間、設備施工管理の仕事をしながらTFASを使ってきて、今になって強く感じることがあります。
それは、
TFASの操作方法を知っているだけでは、施工図を作るのは難しい。
ということです。
この記事では、施工管理として実際にTFASを使ってきた私の経験から、
- なぜ現場知識が必要なのか
- どんな知識が必要なのか
- 配管・ダクト・機器で何を見るのか
- TFAS初心者が陥りやすい問題
- 「TFASを使える人」になるために何を勉強すればいいのか
について解説します。
TFASで施工図を作るなら「CAD操作」だけでは足りない
まず、一番伝えたいことです。
TFASにはたくさんの機能があります。
線を引く。
図形を配置する。
配管を描く。
ダクトを描く。
レイヤーを操作する。
3Dで表示する。
印刷する。
PDFにする。
こうした操作を覚えることはもちろん重要です。
しかし、現場で施工図を扱うようになると、それだけでは足りないことに気付きます。
なぜなら、
「何を描けばいいのか」が分からないからです。
例えば、配管の図面を見たとき、
「ここに線があるから、この線を描けばいい」
だけではありません。
その配管が、
- 何の配管なのか
- どこから来ているのか
- どこへ行くのか
- どの高さを通っているのか
- 他の配管と干渉しないのか
- 勾配は必要なのか
- 実際に施工できるのか
などを考える必要があります。
つまり、
TFASは図面を描くための道具であって、施工内容そのものを判断してくれるわけではありません。
ここは、初心者の頃の私がかなり苦労した部分です。
私がTFASを覚え始めた頃は、図面を見るだけで時間がかかった
TFASを使い始めた頃、図面を見ると線や記号が大量に入っていました。
正直、
何が何だか分かりませんでした。
「この線は何?」
「この記号は何?」
「この配管はどこにつながっている?」
そんな状態です。
分からないものが出てくるたびにインターネットで検索する。
一つ理解する。
また別の分からないものが出てくる。
また調べる。
最初は図面を理解するだけで1時間以上かかることもありました。
しかし、現場経験を積んでいくと、少しずつ変わっていきました。
ある時から、
図面を見た瞬間にある程度の内容が分かるようになってきた。
もちろん今でも分からないものはあります。
ただ、以前のように「何が描いてあるのか全く分からない」という状態ではなくなりました。
これはTFASの操作を覚えたからだけではありません。
施工管理として現場を経験したからです。
TFASで施工図を作るために必要だと感じた5つの現場知識
私が約5年間TFASを使ってきて、特に重要だと感じるのが次の5つです。
- 配管の知識
- ダクトの知識
- 機器の知識
- 現場と図面を照合する力
- 施工する側の視点
順番に説明します。
① 配管の知識
設備施工管理でTFASを使うなら、配管の知識はかなり重要だと思います。
私自身、空調よりも衛生・配管関係の仕事に携わることが多かったため、配管図面を扱う機会はかなりありました。
例えば、改修現場では、
既存の配管や機器を図面に落とし込み、そのうえで新しい計画を考える
という作業があります。
ここで重要なのは、
「配管を描く技術」
だけではありません。
実際に、
この配管は現場のどこにあるのか?
を理解する必要があります。
図面上では簡単に線を引けても、現場には、
- 梁
- 柱
- 壁
- 天井
- 他設備
- 既存配管
- 新設配管
などがあります。
そのため、
「図面上では描けるけど、実際には施工できない」
ということが起こります。
TFASの操作を覚えるだけでは、ここまでは判断できません。
② ダクトの知識
ダクトも同じです。
私は現場でダクト関係の施工図を扱った経験があります。
ダクトの場合も、
「線を引いて形を作れば終わり」
ではありません。
実際の現場では、他の設備との取り合いを考える必要があります。
例えば、
「この位置をダクトが通る予定になっている」
としても、
その場所に別の配管があったらどうでしょうか。
図面だけを見ていると気付かないことがあります。
だからこそ、
図面を見る力+現場を見る力
の両方が必要になります。
③ 機器の知識
機器についても同じです。
私は現場で設備機器の施工図を作成したり、既存機器を図面に反映したりする作業を経験してきました。
ここでも、
「機器の図形をTFAS上に配置できる」
だけでは十分ではありません。
その機器が、
- どこに設置されるのか
- どの配管とつながるのか
- どの方向を向くのか
- メンテナンススペースは確保できるのか
- 周囲の設備と干渉しないのか
などを考える必要があります。
つまり、
TFASの図形を知っていることより、設備そのものを理解していることが重要になる場面があります。
④ 現場と図面を照合する力
これは施工管理としてTFASを使う場合、かなり重要だと感じています。
私が経験した仕事の一つに、
既存図面をもとに現場を確認し、実際の状態を図面に反映する
という作業があります。
特に改修現場では、
「昔の図面と今の現場が完全に一致している」
とは限りません。
むしろ、
図面と現場が違っていることがあります。
そのため、
図面を見る
↓
現場を見る
↓
違いを確認する
↓
図面を修正する
という作業が必要になります。
これはTFASの操作だけではできません。
私が実際に「図面と現場の違い」を意識するようになった理由
実は私自身、以前に図面関係で失敗した経験があります。
古い図面をそのまま確認せずに使ってしまい、作業する人に渡してしまったことがあります。
後になって、
その図面が現在の状態と合っていないことに気付きました。
当然、注意されました。
この経験から、
「図面に描いてあるから正しい」と思い込まない
ことを強く意識するようになりました。
特に改修現場では、古い図面を扱うことがあります。
そのため、
現場を見る→図面と照合する
という習慣が重要だと思っています。
⑤ 施工する側の視点
そして、私がTFASを使う上で最も重要だと思っているのがこれです。
「この図面を見て、実際に施工できるか?」
という視点です。
施工管理をしていると、図面を作るだけでは終わりません。
実際にその図面を見て作業する人がいます。
だから、
「自分のパソコン上ではきれいに描けた」
では意味がありません。
職人さんが図面を見たとき、
「これなら何をすればいいのか分かる」
状態になっていることが大切です。
実際に「この図面、分かりやすい」と言われたことがある
私はTFASを使って図面を作る中で、ある時、作成した図面について、
「分かりやすい」
と言ってもらったことがあります。
これは個人的にかなり嬉しかったです。
なぜなら、TFASを覚え始めた頃は、
自分自身が図面を見ても何が描いてあるのか分からなかった
からです。
それが何年も現場を経験するうちに、
「この図面を見る人は、どこを見ればいいのか?」
ということを意識して図面を作れるようになりました。
これは単なるTFASの操作スキルとは少し違うと思っています。
TFASの3Dが現場で役立つと感じた理由
私がTFASを使っていて特に便利だと感じるのが、
3D表示です。
2D図面だけでは説明しにくい場所でも、3Dで見せるとイメージしてもらいやすいことがあります。
特に、
- 配管の位置
- 高さ関係
- 他設備との位置関係
- 機器との取り合い
などを説明するときに役立ちます。
実際、私は現場で3Dを使って説明することがあります。
これは施工管理としてTFASを使ってきた中で、
「TFASを覚えて良かった」と感じる部分の一つです。
3Dについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
👉 「TFASの3Dは現場で使える?職人さんに『分かりやすい』と言われた私の使い方」
※この記事はAランク④として、次に作成する予定です。
TFAS初心者が「操作だけ覚える」と起こりやすいこと
ここまで読んで、
「じゃあTFASの操作を覚える意味はないの?」
と思うかもしれません。
もちろん、そんなことはありません。
TFASの操作スキルは必要です。
ただし、
操作スキルだけでは実務で困る
ということです。
例えば、
「配管を描く方法は知っている」
↓
でも、
「どこに配管を描けばいいのか分からない」
という状態。
これでは仕事になりません。
逆に、
「現場のことは分かる」
↓
でも、
「TFASで図面を修正できない」
という状態でも困ります。
だから私は、
「TFAS操作+現場知識」
の両方が必要だと考えています。
施工管理経験がTFASの上達に役立ったと思う理由
私自身、TFASを使い始めた頃と現在では、図面を見る感覚がかなり変わりました。
以前は、
図面→分からない→調べる
でした。
今は、
図面→現場の状況を想像する→必要な部分を確認する
という流れになっています。
これは5年間の施工管理経験の中で、
- 職人さんとのやり取り
- 配管の確認
- 配管勾配の確認
- 継手の確認
- 貫通部の確認
- 材料の発注
- 元請との調整
- 現場写真
- 既存設備の確認
などを経験してきたからだと思います。
ただし、私も「TFASなら何でもできる」わけではありません
ここは正直に書いておきます。
私は約5年間TFASを使ってきましたが、
完全にゼロから何でも図面を作れるわけではありません。
特に、
何もない状態から一から図面を作る
という部分は、今でも自分の弱いところだと感じています。
一方で、
- 既存図面の修正
- 現場に合わせた図面修正
- 配管・ダクト・機器の図面
- 施工図
- 竣工図
- PDF化
- 印刷
- レイヤー・シート管理
- 既存の紙図面のデータ化
など、実際の現場で必要になる作業は経験してきました。
だからこそ、
「TFASを使える」とは何なのか
について、自分なりに分かってきたつもりです。
TFASをこれから覚えるなら、何から勉強すればいい?
私なら、いきなり難しい施工図を作ろうとはしません。
次の順番で覚えます。
STEP1 基本操作
まずは、
- 線
- 図形
- 移動
- コピー
- 削除
- トリム
- 寸法
- 文字
など。
STEP2 図面を見る
次に、
「この図面には何が描いてあるのか」
を理解します。
操作よりも、むしろここが重要です。
STEP3 レイヤー・シートを理解する
実務では非常に重要です。
私自身、レイヤーやシートを使って仕事をしてきました。
表示する情報を整理できるようになるだけでも、図面の見やすさはかなり変わります。
STEP4 既存図面を修正する
いきなりゼロから作るより、
すでにある図面を修正する
ところから始める方が、初心者には取り組みやすいと思います。
STEP5 現場と図面を見比べる
ここから、
「TFASを操作できる人」から「TFASを実務で使える人」
に近づいていきます。
TFASは「ボタンを覚えるゲーム」ではない
これは私が5年間使ってきて感じることです。
TFASにはたくさんの機能があります。
だから、
「全部覚えないといけない」
と思うかもしれません。
でも、実際の仕事では、
自分の仕事で必要な機能を覚える
ことの方が重要だと思います。
私自身も最初から全部覚えたわけではありません。
仕事で必要になった。
↓
調べる。
↓
使ってみる。
↓
失敗する。
↓
また覚える。
この繰り返しでした。
私が5年間TFASを使って、一番変わったこと
一番大きかったのは、
図面に対する苦手意識がなくなったこと
です。
最初は図面を見るだけで時間がかかりました。
分からない記号がある。
配管がどこにつながっているのか分からない。
倍率を変えると何が起きたのか分からない。
印刷してみたら薄い。
レイヤーを表示しすぎて必要な情報が見つからない。
そんなことを何度も経験しました。
それでも現場で使い続けていると、
少しずつ図面が読めるようになりました。
そして今では、
ある程度なら図面を見ただけで内容を把握できるようになりました。
これは私にとってかなり大きな変化でした。
TFASを使えるようになると「仕事を任される側」に変わっていく
これも私自身が感じたことです。
以前は、
「これどうすればいいですか?」
と聞く側でした。
しかし、TFASを使えるようになるにつれて、
自分で図面を確認して、
自分で修正して、
自分で印刷して、
現場の人に説明する。
ということができるようになりました。
そして、実際に現場でTFASについて社員の方から質問されることもありました。
最初は自分が教えてもらう側だったのに、
いつの間にか、
自分が聞かれる側になっていた。
これはTFASを覚えて良かったと感じる瞬間の一つです。
まとめ|TFASを「使える人」になるには現場知識が必要
ここまで、施工管理5年・TFAS使用歴約5年の私の経験から、TFASと現場知識について書いてきました。
私が一番伝えたいのは、
TFASの操作方法を覚えることと、TFASを実務で使えることは別です。
ということです。
施工図を作るなら、
- 配管
- ダクト
- 機器
- 現場の納まり
- 他設備との取り合い
- 現場と図面の違い
- 施工する人の視点
などを理解する必要があります。
そして、
TFAS操作+現場知識
が組み合わさって、初めて「仕事で使えるTFASスキル」になっていくと私は考えています。
私自身、最初は何も分かりませんでした。
誰かに丁寧に教えてもらったわけでもありません。
現場で失敗しながら、少しずつ覚えてきました。
だからこそ、今TFASを始めたばかりの人には、
「最初から完璧にできなくても大丈夫」
と伝えたいです。
TFASを実務で使えるようになりたい方へ
私自身がTFASを覚えるときに一番苦労したのは、
「結局、実務では何を覚えればいいの?」
ということでした。
TFASには機能がたくさんあります。
でも、実際の現場で毎回使う機能は限られています。
そこで、私が約5年間TFASを使ってきた中で、
- 初心者が最初に覚えたい操作
- 実務でよく使う機能
- 図面修正
- レイヤー・シート
- 印刷・PDF
- 3D
- 時短につながる操作
- 現場で起こりやすいトラブル
などをまとめています。
「TFASを勉強しているけど、何から覚えればいいか分からない」
という方は、こちらも参考にしてみてください。
👉 TFAS初心者向け教材

