「Tfasを使えるけど、Revitも覚えたほうがいい?」
「TfasとRevitは何が違う?」
「これからCADオペレーターやBIMオペレーターを目指すなら、Revitは必要?」
Tfasをある程度使えるようになると、次のスキルについて考える人も多いと思います。
特に最近よく耳にするのがBIMです。
そして、BIMソフトとして名前が出てくるのがRevitです。
結論から言うと、
Tfas経験者がRevitを学ぶことには十分意味があります。
ただし、
「Tfasを使えるなら、全員が今すぐRevitを覚えるべき」という話ではありません。
Tfasの実務経験がまだ浅い人と、Tfasを使って設備図面を扱える人では、優先順位が変わります。
この記事では、施工管理としてTfasを使ってきた私の経験も踏まえて、
- TfasとRevitの違い
- Tfas経験者がRevitを学ぶメリット
- Revitを急いで覚えなくてもいい人
- どの程度までRevitを学べばいいのか
- Tfas→Revitの勉強順序
- 転職を考える場合の活かし方
について解説します。
そもそもTfasとRevitは何が違う?
まず、TfasとRevitは同じようなCADソフトだと思われることがあります。
しかし、考え方はかなり違います。
Tfasは設備CADとして、空調・衛生・電気などの設備図面を扱うために使われます。
一方、RevitはAutodeskが提供するBIMソフトウェアで、建築・構造・設備などを含む建物の情報を3Dモデルとして扱うことができます。
RevitのMEP機能では、機械・電気・配管設備をBIM環境で扱い、設備システムの接続関係やモデルを確認できます。
簡単に言えば、
Tfas=設備図面を作成・編集するためのCAD
Revit=建物の情報を含めてモデルとして扱うBIMソフト
と考えると分かりやすいでしょう。
もちろん、実際の機能や使い方はもっと複雑です。
ただ、Tfas経験者がRevitを学ぶときには、
「Tfasの上位版を覚える」
と考えないことが重要です。
Tfas経験者がRevitを覚えるメリット
では、Tfasを使える人がRevitを覚えると何が変わるのでしょうか。
私は大きく5つあると思います。
① CADだけではなくBIMの仕事に広げられる
一番大きいのがこれです。
Tfasで設備図面を扱える人が、Revitの設備分野まで扱えるようになれば、
「設備CADが使える人」から「設備CAD+BIMを扱える人」
へスキルの幅を広げられます。
Revitでは建築・構造・設備などを含むBIMモデルを扱うことができ、MEPでは機械・電気・配管システムをモデル化できます。
もちろん、
「Revitを少し触っただけ」
でBIM人材になれるわけではありません。
それでも、
Tfasしか触れない状態から、Revitにも対応できる状態へ広げる
という意味では価値があります。
② Tfasで身につけた設備知識を活かしやすい
ここはTfas未経験者と比べたときのポイントです。
Revitを初めて触る人でも、ソフトの操作自体は勉強できます。
しかし設備BIMの場合、
「この配管は何なのか」
「この機器は何なのか」
「この設備同士はどうつながっているのか」
といった設備の知識も必要になります。
RevitのMEP環境でも、設備システムの接続関係や要素同士の関係を理解しながらモデルを扱います。
そのため、
Tfas+設備図面+現場経験
がある人は、Revitだけをゼロから学ぶ人とは違う土台を持っています。
③ 施工管理経験も組み合わせられる
これは私自身が特に感じているところです。
私は施工管理としてTfasを使ってきました。
そのため、単純にCADを操作するだけではなく、
- 現場
- 施工図
- 設備
- 納まり
- 他業種との調整
- 実際の施工
という視点から図面を見ることができます。
BIMを仕事で使う場合も、単にモデルを作るだけではなく、建築・構造・設備など複数分野との調整が重要になります。Autodeskも、MEP向けBIMについて、共有モデルを使った分野間の調整や干渉チェックなどを活用例として説明しています。
そのため、
施工管理経験+Tfas+Revit
という組み合わせは、単純な「Revit操作経験」だけとは違う強みになり得ます。
④ 転職先の選択肢を広げられる可能性がある
Tfasしか使えない状態と、
Tfas+Revit
の状態では、応募できる仕事の方向性が変わる可能性があります。
例えば、
- 設備CADオペレーター
- BIMオペレーター
- 設備BIM関連業務
- 施工図関連業務
- 設備設計補助
- BIMを活用する施工管理関連業務
などです。
ただし、
「Revitを覚えれば転職できる」
という意味ではありません。
求人によって必要な経験や業務内容は違います。
Revitの経験年数を求める求人もあれば、未経験・経験浅めから育成する求人もあります。
したがって、転職目的なら、
先に求人を見て、実際にどの程度のRevitスキルが求められているのか確認する
ことが重要です。
⑤ 将来的なスキルアップの選択肢を増やせる
Revitを覚えること自体をゴールにする必要はありません。
例えば、
Tfas
↓
Revit
↓
BIM
↓
BIMコーディネーション
↓
施工・設計・BIM関連業務
というように、次のスキルへ広げていくことができます。
もちろん全員がこのルートを進む必要はありません。
施工管理を続けながらTfasを使う人なら、Revitを覚える優先度はそれほど高くない場合もあります。
じゃあ、Tfas経験者は全員Revitを覚えるべき?
ここは「NO」です。
私は、
Tfas経験者だから全員Revitを覚えるべき
とは考えていません。
むしろ、今の仕事内容と目的によって判断したほうがいいです。
例えば、
Revitを優先して考えたい人
- CADオペレーターへの転職を考えている
- BIMオペレーターを目指している
- 設備BIMに興味がある
- 設計・施工図方面にキャリアを広げたい
- 今後もCAD・BIMを仕事の中心にしたい
- Tfasの基本操作はすでにできる
こういう人なら、Revitを学ぶ意味は大きくなります。
逆に、まだRevitを急がなくてもいい人
例えば、
- Tfasを使い始めたばかり
- 基本操作もまだ不安
- 設備図面を読むのが難しい
- Tfasで既存図面を修正することもまだ難しい
- 現在の仕事ではRevitを使う予定がない
- CADより施工管理そのものを伸ばしたい
という場合です。
この状態なら、
Revitより先にTfasの実務力を高めたほうがいい
可能性があります。
特に初心者が、
Tfasも覚えないといけない
Revitも覚えないといけない
BIMも勉強しないといけない
となると、かなり中途半端になりやすいです。
TfasとRevit、どちらを先に覚える?
これも目的によります。
私なら次のように考えます。
CAD未経験
まずは、
CADの基本
↓
設備図面の基本
↓
Tfas
という順番。
Tfas初心者
まず、
Tfasの基本操作
↓
既存図面の修正
↓
設備図面の理解
↓
実務
を優先します。
Tfasを実務で使える
ここまで来たら、
Revitを追加する
という選択肢が出てきます。
Tfas→Revitの勉強順序
私なら、いきなり難しいBIM機能から始めません。
STEP1 Revitの基本概念を理解する
まず、
「Revitとは何なのか」
を理解します。
CADのように単純に線を描くソフトだと思って始めると混乱します。
Revitではモデル要素やファミリなどの考え方があり、一般的な2D CADとは違った考え方が必要になります。
STEP2 画面・ビュー操作を覚える
次に、
- 平面図
- 立面図
- 断面図
- 3Dビュー
- ビューの切り替え
- ズーム
- 選択
などを覚えます。
ここはTfas経験がある人なら、CAD操作の経験を活かしやすい部分です。
STEP3 基本的な建築モデルを理解する
次に、
- 壁
- 床
- 天井
- 建具
- 階
- 基準面
など、建築側の基本的な考え方を理解します。
設備BIMをやるとしても、建物そのものを理解しないと設備を配置するのが難しくなります。
STEP4 MEPを覚える
ここから設備です。
例えば、
- ダクト
- 配管
- 機器
- 衛生設備
- 電気設備
などです。
RevitのMEPでは、設備要素を単に線として描くのではなく、システムとして接続・管理する考え方があります。
ここはTfas経験者にとって、設備知識を活かしやすい部分です。
STEP5 設備図面・モデルを作る
基本操作ができるようになったら、
実際の設備モデルを作る
ところまで進みます。
ここで初めて、
「Revitを操作できる」
から、
「Revitで設備業務ができる」
に近づきます。
STEP6 干渉チェック・調整を学ぶ
BIMのメリットの一つが、複数分野を含むモデルを使った調整です。
設備だけを見るのではなく、
- 建築
- 構造
- 空調
- 衛生
- 電気
などとの関係を見る必要があります。
Autodeskも、MEP向けBIMの活用例として、複数分野のモデルを統合した調整や干渉チェックを挙げています。
ここまでできれば、単純な「Revit操作経験」とはかなり違ってきます。
Revitはどのくらい覚えればいい?
これもよくある疑問です。
結論として、
転職目的なら「全部覚える」必要はありません。
むしろ、
目標とする求人で求められている範囲
を確認したほうが効率的です。
例えば、
「Revit経験1年以上」
という求人と、
「Revitの基本操作ができれば可」
という求人では、必要な学習量が全く違います。
そのため、
Revitを勉強してから求人を見る
のではなく、
求人を見る→必要スキルを確認する→勉強する
という順番もおすすめです。
Tfas+Revit+施工管理経験はどう活かせる?
ここは私自身の経験から考えると、かなり重要だと思います。
例えば、
施工管理経験
↓
設備図面を理解できる
↓
Tfasを使える
↓
Revitも扱える
という状態です。
これは単純なCAD操作だけではなく、
「現場を知っている設備系CAD・BIM人材」
という方向に持っていけます。
もちろん、実際の求人でどのように評価されるかは企業や仕事内容によって異なります。
ただ、転職するときには、
「Revitを勉強しました」
だけで終わらせず、
「施工管理として設備現場を経験し、Tfasで既存図面の修正・作図を行ってきた。そのうえでRevitを学んでいる」
という形で経験をまとめるほうが、自分の強みを説明しやすくなります。
Revitを勉強するなら独学?スクール?
ここでも選択肢は2つあります。
独学
独学のメリットは費用を抑えられることです。
また、RevitにはAutodesk公式の学習コンテンツやサンプル・テンプレートもあります。
そのため、まず触ってみるという意味では独学から始める方法もあります。
スクール
一方で、
「BIM自体がよく分からない」
「Revitを仕事で使えるレベルまで体系的に学びたい」
「質問できる環境がほしい」
という場合はスクールも選択肢になります。
特に、
転職までの期限が決まっている人
は、独学だけにこだわらず、学習環境を比較したほうがいいでしょう。
Tfas経験者なら「Revitを覚える」より先にやること
ここはかなり重要です。
Revitを始める前に、
自分が何の仕事をしたいのか
を決めてください。
例えば、
施工管理を続けたい
→ Tfas+施工管理能力を優先
CADオペレーターになりたい
→ Tfas+設備図面+CADスキル
BIMオペレーターになりたい
→ Tfas+Revit+BIM
設備設計に行きたい
→ 設備知識+CAD/BIM+設計知識
というように変わります。
「Revitが人気だから」
という理由だけで勉強するのはおすすめしません。
Tfasをまだ十分使えないなら、まずはこちら
「Tfasを覚えたからRevitもやろう」
と思っている人の中には、
実はまだTfasの基本操作に不安がある人もいると思います。
その場合は、まずTfasの基礎から固めてください。
Tfasは独学でも覚えることができます。
ただし、独学・スクール・実務教材のどれが自分に合っているのかは人によって違います。
詳しくはこちらの記事でまとめています。
👉 Tfasは独学できる?初心者が覚える方法と独学・スクールの選び方
Tfas経験者はRevitを覚えるべき?まとめ
Tfas経験者がRevitを学ぶことには意味があります。
特に、
- CADオペレーターへ転職したい
- BIMオペレーターを目指したい
- 設備BIMに興味がある
- CAD・BIMを今後の仕事にしたい
- 施工管理+CADの経験をさらに広げたい
という人には、検討する価値があります。
一方で、
Tfas初心者がいきなりRevitまで手を広げる必要はありません。
まずTfasを使えるようにする。
設備図面を理解する。
実務経験を積む。
そのうえでRevitを追加する。
この順番でも十分です。
特に、
施工管理経験+設備知識+Tfas+Revit
という組み合わせを目指すのであれば、単純なCAD操作だけではなく、現場と図面の両方を理解できることが強みになります。
そして、Revitを学ぶか迷っているなら、
「Revitを覚えるべきか?」ではなく、「Revitを覚えて、どんな仕事をしたいのか?」
から考えることをおすすめします。
